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20040406

一人っ子政策のつけ

外務省ホームページによると、中華人民共和国の人口は2000年現在で12億6583万人である。
戸籍のない“黒子”と呼ばれる人たちが相当いると考えられるから、推計で14億程度は存在していると思われる。
中国の人口は近世以前がおおよそ5千万人から1億人、19世紀中頃に4億人を越えている。
環境に大きく負荷をかけない、自然人口は4億人程度とこのことから考えられるが、毛沢東が人口増加政策をとったことから、中華人民共和国は、「大躍進運動」「文化大革命」というふたつの大きな人口減を経験してなお、人口は大幅に上昇した。
今から30年前ほどには中国の人口は8億人と言われていたものである。もうすぐ、その倍になろうとしている。
これは人類にとって災厄であり、悪夢であるが、まず中国人自身にとって災厄である。
ケ小平が強権的に採用した人口抑制政策、「一人っ子政策」は“非人道的”であるのは確かだが、人類の未来のためには絶対に必要な政策でもある。
これを採用しなければ、中国は人口圧力によって圧死することは明白だったのだが、とは言え、それがまたそれに伴う問題を引き起こしているのも事実である。
ひとつは急速な高齢化社会を迎えるということ。
中国の高度経済成長のインフラがおそらくはこの半世紀ほどしか持たないと予測される最大の根拠がここにある。若者の価値は相対的に大きくなっていくと思われるので、貴重な若者を消費する戦争へと中国は踏み切れなくなるだろう。
えてして、日本の対中国外交は弱腰だと批判されるが、日本は今、人口動態的に下り坂であり、中国は上り坂にある。この不利な状況の時に、真っ向からぶつかるのは得策ではないという判断はあってもいい。
半世紀をなんとかやり過ごして、全面的な日中対決を避ける、というのは日本の外務省の判断としては、理がある。
人口ピラミッドが底辺が広く、国民の平均年齢が若ければ若いほど、その国の外交政策はアグレッシヴになりやすい。
19世紀初頭には欧州大陸を制覇したフランスが、その後、ドイツの脅威に晒され続けたのは、基本的には人口が安定化した、もしくは減少したからであって、ドイツに比較してフランスが「全面戦争が出来ない国」になっていたからである。そこのところを見極めずに、外交的冒険を繰り返したナポレオン3世は外交上非難されてしかるべきであり、ドイツがしばしば強硬的な姿勢に立てたのは、戦争が出来る国内体制があったからである。
その例にならって言うならば、現在の日本は「戦争が出来ない国」であり、中国は「出来る国」である。
従って、最合理の対中国政策は、「戦争を引き起こさない」ことにプライオリティが置かれるべきであり、なおかつ中国を同じく「戦争が出来ない国」になるよう促すことである。
中国の一人っ子政策は、基本的には日本の国益にも合致することであり、たとえそれによって多くの非人道的な現象が生じようとも、日本はこれを非難すべきではない。
ただし、この政策によって、中国が部分的に過激化する要素はある。
BBC NEWS が急増する中国の独身男性が中国社会を不安定化させるおそれについて言及している。
結婚できない男性の問題は諸々の社会問題を激化させる恐れがある。これ自体はこれといった解決策はないのが現状だが、セックスをめぐる問題について、中国人男性の考えが、先鋭化していくだろうということは予想しておくべきだろう。
出来れば、日本人男性と中国人女性の結婚などは避けて欲しいものだが(その逆の組み合わせは問題なし)、そこは当人同士の問題なのでどうにもならない。ただし、カネを背景にした中国での買春行為などは絶対に慎むべきだ。起きた行為以上に激しく憎悪を刺激する恐れがあるからである。
この点、日本人は充分に注意しておく必要がある。



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