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20040630

Out of Korea

隣国なればこそ、韓国のことが気にかかる。
韓国のことで非常に理解に苦しむのが、あれほど「愛国的」な人たちでありながら、移民に熱心なことだ。
もちろん、実際に働き口がなければ移動せざるを得ない。多くの国でそうやって経済移民が発生し、経済移民だからと言って、愛国心に欠けると見なすことは出来ない。
しかし韓国はOECDに加盟する先進国であり、世界的な水準で見ても豊かな生活が享受できる国である。
その彼らが、結果的に国を捨てることになる移民と言う形をどうして選択するのだろうか。
ひとつには、国の垣根そのものが、アジア・太平洋地域でも低くなっている傾向が挙げられる。例えば、受入国のひとつであるアメリカ合衆国では忠誠宣言が帰化の際には求められるが、故国とアメリカが戦争をする可能性がほとんど考慮されていない、する必要がない程度にはアジア太平洋地域は一体化している。
これをグローバリズムの現われと見るべきなのだろうか。
それとも、そこには韓国に対する失望があるのだろうか。
人口動態を見れば、韓国には海外へ移民を送り出す余力などないはずである。
2002年には合計特殊出生率が1.17となり、世界最低の水準となった。少子高齢化社会は先進国はいずれも抱える問題だが、韓国の場合は特にそれがはなはだしく、日本を上回るペースで超少子高齢化社会へと突き進んでいる。
このうえ、さらに若年世代が移民という形で失われれば、実際の少子化の悪影響は甚だしいものとなるだろう。
にもかかわらず、大統領がアメリカから移民枠の拡大を「勝ち取る」ことが「得点」となる。
韓国人は一体、将来、大韓民国をどうするつもりなのだろう。
日本以上に学歴社会の韓国では、院卒、外国の学位保持者がごろごろいる。それに見合った職が供給できていないのが現状で、そうした人たちは、海外へ活路を求めなければならない。
しかしそれは人材の流出に他ならない。
移民を希望する人たちはそうした状況も踏まえた上で、韓国の国情に対する不満を訴える。
教育費の高騰、失業率の増大、極端なまでの競争社会で非常に息苦しいというところ。
アメリカでさえも、韓国人に言わせるとまだしも競争社会ではないというのだ。
そうした不満は個人として聞く限り、なるほどそれはさぞかし息ぐるしかろうとは思うが、そうした社会を変えるという方向にエネルギーが向かうのではなく、そこから逃げると言う形で解決を図るところに、首をかしげるところもある。一方でこの人たちは大変な愛国者でもあるのだ。
愛国主義そのもの疑念を抱くひとつの理由である。
アジアでも絶望的な貧困の中にあった韓国が経済成長を始めてすでに30年ちかく、余りにも早く年老いたように見えなくもない。
海外に逃避することもままならない人々、学歴も資格も低い人たちが、奮起することがないとは言い切れない。
土塊の中からしか、国を支える人々は生まれてこないものだ。



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